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宗澤忠雄の「福祉の世界に夢うつつ」ブログより


秋たけなわの大分で (2012年11月19日)

 この11月6〜7日に、全国知的障害者施設家族会連合会全国大会in大分が開催されました(以下、団体名称を「全施連」と略)。
基調講演者の小賀さん(北九州市立大学教授)とともに、私はシンポジストとして参加しました。

小賀さんの基調講演


 全施連は、本年8月に発表した「新しい生活施設のあり方に関する提言書」の中で、「人間の尊厳が重んじられ、誰もがその人らしい生き方を国が責任を持って守る仕組の追究」を理念として明らかにしています。社会福祉基礎構造改革が進む中で、障害福祉施策のあり方に根本的な疑問を抱いた知的障害のある人とその家族を中心に、施設関係者をも含めて設立された団体です。

全施連会長の由岐透さん

 多様な意見と価値観の尊重を土台に据えつつ、障害のある人とその家族が生きづらさを増すばかりの現実に立ち向かおうとする姿勢には、熱いスピリットを感じます。

 その熱意に応えるように、小賀さんは次のように話されました。20世紀に積み上げてきた福祉国家がその遺産と努力を放棄した今日の状況を踏まえ、現行法制度に振り回されることなく、障害のある人が権利の主体であるとの立場に立脚して、生活施設を含む様々な地域で暮らす選択肢のゆたかさを新たに構築することが大切であると。

 私の発言要旨は、次のとおりです。家族と地域社会が定型を喪失する下で進行した「利用契約制」は、社会と法制度に個人がいきなり直面する仕組みであり、「健康で文化的なみんなの暮らし」を展望できないまま、孤立した「消費者としての暮らし」を強いるようになっている問題点を指摘しました。ここにこそ、障害のある人とその家族の現代における不安と生きづらさの根本があると。

 会場に溢れていた参加者の皆さんの学びと変革への熱意は、必ずや現実を動かす力となると確信します。秋の大会は、一抹の冷気が適度な緊張と集中を促すのか、学びが深くなるような気がしますね。


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